愛知県の三河地方で作られている粘土瓦を「三州瓦」と呼ばれています。
日本を代表する粘土瓦産地でもあり、日本の粘土瓦の生産量の約75%を占めています。
凍害や寒い地域にも耐える耐久性があり、豊富形状と色のバリエーションも豊富です。
高品質な粘土瓦であるため、現在では全国の大手ハウスーメーカーさんや社寺建築においても幅広くご採用されています。
特許庁により全国的な知名度があり地域のブランドとしても根強く根付いています。
弊社が主に使っているのも栄四郎瓦が生産・製造販売している「三州瓦」の粘土瓦です。
「三州瓦」には八つの特性があります。
①防災性
栄四郎瓦の瓦はすべて防災瓦と言って瓦同士が瓦一枚一枚に付いているジョイントフックで固定し合っている構造となっており、最新のガイドライン工法による施工で優れた耐震性・耐風性が確立しています。
②防水性
年間の降水量が多い日本では、どのように屋根に降る雨を排水し、屋根内部への漏水を防ぐかが屋根材にとっての重要事項ですが栄四郎瓦では効率よく雨水を排水する為のガイドや水返しなどを意匠に取り入れ、非常に高い防水性能を瓦に兼ね備えさせています。
③断熱性
粘土を原料とする栄四郎瓦は、熱伝導率が低く、熱を伝えにくいという特性があり、また屋根に瓦を施工した時できる瓦と野地板との間の空気層により断熱効率を高めます。空気層がほとんどない化粧スレート(KMEWのカラーベストコロニアルなど)やっ金属屋根材に比べ、外気温の影響を遮断し、より快適な住空間にしてくれます。
④耐寒性
冒頭で少しお話したと思いますが、栄四郎瓦は寒冷地でも広く採用されており、長期間氷点下の外気に晒される寒冷地域では屋根材に含まれる水分の凍結による凍害が発生し雨漏りや損壊の原因にもなりますが、それには瓦の吸水率が大きく関係しており、栄四郎瓦の場合はJIS規格の12%を大きく下回る8%以下の吸水率なので凍害などの心配はほとんどありません。
⑤耐火性
火事や飛び火などの類焼を防ぐには、屋根材の耐火性能がとても重要です。昔の屋根技法として用いられてきた草葺きや板葺きなどが時代の流れと共に減っていった原因の一つとしては耐火性の問題がありますが、瓦は一度焼いた焼き物なのでもしも大きな火災が起きた場合でも燃える心配はありません。
⑥耐久性
屋根には、工事や雪下ろしなどで人が乗る場合があるので局部的に荷重がかかる場合があります。栄四郎瓦の場合はJIS規格を十分に満たしているので、耐圧性はもちろん耐久性もあり、酸性雨や海岸部での塩害などにも強く、ほかの屋根材と比べても耐薬性にも優れています。
⑦防音性
近年、ガルバリウム鋼板の屋根が増えておりますが、金属屋根や化粧スレートの屋根のデメリットの一つとしては屋根に雨水が打ちつける時に非常に雨の音がするということが一つとして挙げられますが、粘土瓦の場合は瓦と野地板(屋根地)の間に空気層が設けてあるので防音性も兼ね備えており、雨が降っても家の中では比較的静かに過ごすことができます。
⑧経済性
瓦屋根の最初にかかるイニシャルコストは化粧スレートや金属屋根(ガルバリウム鋼板など)などの屋根材に比べて高いのは事実なのですが、後々のメンテナンスコストがかかりません。スレート系や金属系の場合は環境や製品の質にもよりますが、10年くらいから退色や錆び等が発生するので、定期的なメンテナンスが必要になります。
家を建ててから30~40年住み続けることを考えれば、メンテナンスの手間もなく丈夫で長持ちする瓦は決して高い屋根材ではないのです。