現在の建築物の屋根の作りもこのように母屋(もや)の上に垂木が乗り、その上から屋根材を葺いていくといった建築構造は昔も今も変わらず、現代に受け継がれているのはとても感慨深いもの感じさせるものでした。
今ではたくさんの便利な建築工具があり家を建てるのも物凄く早くなりましたが、昔は石などを加工して作った打製石器を使い屋根の原料となる草木を伐採してそれを屋根材として使い茅葺き屋根の家を築いていました。
『茅葺き』はまさに、日本の古来から受け継がれてきた伝統的な技法と言えるのではないでしょうか。
ちなみに茅葺き屋根の葺き替え時期は場所やそこの環境にもよりますが大体15~20年と言われていて、屋根全体を葺き替えする場合がほとんどなんですが、棟(むね)の部分に関しては定期的な補修が必要とされています。
茅葺き屋根であっても棟の部分には耐久性を高めるためにヨシ(イネ科の多年草)を使う場合があり、屋根全体をヨシだけで葺いた場合は40年持つとも言われています。
茅葺き屋根の軒先部分は切り揃える方が見た目は美しくなるのですが、切り揃えない方が水はけが良くなるとも言われています。
また水切り性を高めるためや軒先の直線を美しくする為に、軒先
部分にのみ細く硬い麻の茎(あさのくき)や苧殻(カラムシの茎)を用いる事もあるようです。