粘土瓦の凍害について簡単に説明させていただきます。粘土瓦は粘土を原料にした焼成物であり多孔体となっている為多少の吸水をします。JISでは吸水率の上限が規定されており釉薬瓦は12%以下、いぶし瓦は15%以下となっています。
JISの規定による凍害試験は『気中凍結水中融解法』で行います。
[この試験は、試験回数の規定はありませんが、メーカー間の競争があり、その回数を誇示し合うケースはあります]
因みに、吸水率12%程で約1030℃で焼成した試験体を、24時間水中に入れてその後8時間以上-20℃で凍結させると言う工程を1サイクルとして、11サイクル目にその試験体の表面に亀裂や剥離が生じました。このことはJISが規定した吸水率の上限の甘さなのか疑問なのですが吸水率12%以下の瓦はJISの適合製品としては認められない事になります。
『瓦の凍害とは』瓦の表面、裏面が雨や夜露や結露で吸水して、冬季の朝方の外気が最低下した時にその吸水した水分が凍結膨張して瓦の表面や裏面に亀裂や剥離を生じさせる現象の事を言います。
瓦の3第産地のそれぞれの平均吸水率は
三州瓦5.8%以下
淡路瓦9.8%以下
石州瓦1.2%以下
となっていますので参考にしてください。
四国は温暖な気候なのでほぼ安心ですが山間部にお住いの方は場所によっては北海道並みの気温になる場合もありますのでご注意下さい。