愛媛松山の方に伝えたい住宅や神社お寺の屋根に鬼瓦を乗せる意味
今回は愛媛松山の方に「鬼瓦」を屋根に乗せる意味を説明していきたいと思います。
日本古来から住宅や社寺仏閣等の屋根に用いられてきました。
「鬼瓦」は魔除けや厄災から守ってくれる「守り神」のような意味合いで使われて来ました。
鬼は本来怖いイメージですが、その鬼を住宅の屋根に乗せておくことで、色々な自然災害や、今で言う防犯的な役割としても使われ、その家を守る働きをしてくれています。
魔除けとしての役割以外には、家の屋根の装飾としてや雨漏り対策としての役割もあります。
鬼瓦と言っても色々な形状の鬼瓦があります。
住宅や社寺仏閣等で「鬼瓦」が使われる部分としては主に、屋根の棟(むね)部分や隅棟(すみむね)部分に多く使われています。
これはカエズ型鬼面鬼瓦(きめんおにがわら)の写真です。
鬼瓦の中でも比較的シンプルな瓦形状であるカエズ型は、一般住宅にも非常に多く用いられています。
日本最古の鬼瓦の歴史は飛鳥時代から作られていたと考えらえれており、飛鳥時代の古代の遺跡から発掘された鬼瓦は八枚の花弁の花をかたどった紋様で、この写真のような鬼瓦ではなかったようです。
この写真ような鬼をかたどった鬼瓦が作られるようになったのは室町時代に入ってからだとされており、社寺仏閣等の屋根を工事していた瓦職人が作ったことから始まったようです。
江戸時代に入ると、神社やお寺はもちろんの事、お家の火災対策として屋根に鬼瓦を葺くような一般住宅のお家も増え、一般庶民の方たちも鬼瓦に触れる機会が増えたようです。
この写真の鬼瓦もそうなのですが、見た目が非常に恐ろしく眼光が物凄い鋭いので、一般庶民の住宅環境にはあまり合わず、鬼瓦でも「七福神や恵比寿様・大黒様」などの縁起がいい鬼瓦を乗せる方のほうが多かったようです。
個人的にはこの古代鬼面鬼瓦は非常に渋いなと思います。
鬼瓦は鬼瓦作り専門の職人である「鬼師」によって作られます。
これは先ほどの鬼瓦の側面写真です。
静岡県清水市の鬼瓦専門メーカーの鬼師(おにし)が作った鬼瓦です。
鬼師というのは鬼瓦を専門に作る職人さんの事です。
一般的な屋根に葺く瓦とは違い、すべて手作業による作業なので繊細さや高い技術が必要です。
熟練された鬼師は現在約150人ぐらいしかいないとされており非常に大変な仕事です。
鬼師は国宝の日本の社寺仏閣の改修工事や、伝統的な日本の建造物などの工事などに携わっています。
日本の文化を衰退させない為にも、こういった職人さんを国がしっかりとケアし、大切な人材として残していって欲しいです。
これは覆輪型の鬼瓦の写真です。
よく一般の和形の日本瓦が葺いてあるお家にはよく見られるタイプの鬼瓦です。
見たが雲をイメージして作られており、火除けなどの意味合いも込められています。
江戸時代のころは非常にお家の一般火災が多かったこともあり、この覆輪型の鬼瓦は江戸庶民からは好評だったようです。
これは立浪型の鬼瓦の写真です。
主に住宅の玄関先などに多く使われているタイプの鬼瓦です。
屋根外観を綺麗に見せる意味もあり、鬼瓦としての重厚感や鋭さも兼ね備えており、これも覆輪(ふくりん)タイプの鬼瓦と同じぐらい人気のある鬼瓦です。
鬼瓦は鬼をそのまま彫ったものだけではなく色々な形状の物も「鬼瓦」と呼んでいるんですね。
これは鳥を彫刻して作った鬼瓦の写真です。
鬼瓦は魔除けや厄災から守る意味以外にも、縁起物としてや、その家の装飾としての役割もあります。
これは「飛躍・出世・幸運」などの意味合いがある鳥を鬼瓦として屋根に乗せているんだと思います。
他にも動物でいうと、シャチや亀などの縁起の良い動物の鬼瓦もたくさんあります。
この写真は屋根に乗っている鬼瓦の部分的な名称を付けた写真です。
屋根の一番上の棟先端部分に乗っている鬼瓦は「鬼瓦」とそのまま呼ばれており、ほかにも職人さんによっては色々な言い方はあると思います。
そして一番上の棟から、軒先の方に下りてきている棟の先端部分についている鬼瓦を「下り鬼」と呼んでいます。
最後が隅棟部分の先端についている鬼瓦を「隅鬼」と呼んでいます。
やっぱり鬼瓦はいぶしの瓦に一番合っていると個人的に思いました。
非常に重厚感を感じます。
今回もコラムを最後まで読んで下さりありがとうございます。
日本の住宅には鬼瓦が非常に合っているなと思いました。
日本の伝統や文化をこれからも後世に残していきたいなと、私個人もこのコラムを書くにあたって、物凄くそれを感じました。
鬼瓦の歴史や意味が少しで分かって頂ければ幸いです。
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