愛媛の方へ自然素材のいぶし瓦特有の経年変化で出る黒ずみと赤錆
愛媛のみなさま、自然素材であるいぶし瓦特有の経年変化により起きる現象の一つである「黒ずみ・赤錆び」について説明させて頂きます。
粘土から作られる自然素材であるいぶし瓦は経年変化により黒ずみが発生してしまう場合があります。
これは瓦自体の品質や強度には全く問題ございませんので安心してください。
これはいぶし瓦の黒ずみ写真です。
赤い枠線の部分に注目してみると、銀色のいぶし瓦が黒くなっているというのがわかると思います。
この現象は、自然素材であるいぶし瓦特有の現象で、長年の経年変化により黒くなりますが、これはいぶし瓦だからこそ出せる色調であり風合いだとも言えます。
黒くなることで、瓦自体の製品品質や瓦の強度が落ちるということはないので安心して下さい。
いぶし瓦は日本の国宝である社寺仏閣にたくさん使われているのを見ると、いぶし瓦の特有の黒ずみも建築物に深い味わいと、日本ならではの詫び寂の文化にも精通する部分があり、新しいものは確かに見た目も綺麗で美しいのですが、長い年月を経て作り出された色調は絶対に出さないものなので、いぶし瓦を屋根に葺いている方は、いぶし瓦特有の経年変化を楽しんで頂けたらなと思います。
銅の樋からの雨水で表面に赤い錆が付いたいぶし瓦の写真
これは銅樋(どうとい)からの雨水でいぶし瓦の表面が赤く錆びついてしまった写真です。
本来のいぶし瓦の赤錆というのは、点状の赤い錆びが発生してしまうのですが、これは2Fの屋根の銅樋を伝って流れてきた雨水が1Fのいぶし瓦の表面に流れて、表面に銅樋による赤錆が発生したようです。
水というのは横に走る性質を持っており、銅樋から流れてきた雨水を直接うける列の瓦表面には赤錆が発生してなく、その廻りの瓦表面にはたくさん赤い錆びが付いている瓦がありました。
近くで見てみると錆び方が本来のいぶし瓦の錆び方ではないので、銅樋から流れてきた雨水による赤錆だとわかりますね。
これは黒ずみした丸切(まるきり)の写真です。
経年変化による黒ずみはとても深い味わいと色調を醸し出していますね。
昔は、屋根に乗せる瓦と言えば、菊間産のいぶし瓦かセメント瓦の2種類しかなかった時代がありました。
この丸切を屋根に使うのは、瓦を割る寸法上入れないといけない場合と、見た目の意匠をかっこよくするという理由がありました。
「丸二つ切っといて」という昔の大工さんの言葉の意味は、この丸切を二列入れといてくれという意味で、よく昔のいぶし瓦を葺いた住宅を見ると、屋根にこの丸切が二列入っている住宅もお見かけしたことがあると思います。
またこういった丸切の入っているいぶし瓦のお家をお見かけした時は、また違った見方で見てみるのも楽しいかもしれません。
日本の古来から使われてきた、いぶし瓦は、日本の伝統と風土・文化を創ってきたと言っても過言ではなく、海外から観光で来る外国人が京都の社寺仏閣を見にくるのは、日本の昔の建築技術が物凄い高度なものだという事がわかります。
いぶしの特性の一つである黒ずみは経年変化によってできる芸術だと言えるのではないでしょうか?
今回もコラム読んでくださりありがとうございます。
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