愛媛の方へ現在日本で最も古い粘土瓦製造メーカーである栄四郎瓦
弊社が主に使っている瓦メーカーである、愛知県三河にある『栄四郎瓦株式会社』さんについて説明します。
三河地方で取れた粘土を使い焼成されて作られた『三州瓦』は日本の住宅建築物にすごく良く合う瓦だと思います。
『栄四郎瓦』の歴史古く創業200有余年、現在現存する瓦メーカーの中では最も古い瓦製造メーカーであり1400年の歴史持つ日本粘土瓦文化を今も尚継承し、日本の伝統的な建築物に粘土瓦を供給しています。
栄四郎瓦とは?
栄四郎瓦株式会社は愛知県にある現在日本で最も古い瓦メーカーであり、日本の瓦の三大産地の一つである「三州瓦」の製造・販売をしています。
元々創業した当時の社名は「丸栄」という屋号を用いており、その当時の社長であった三代目の樅山栄四郎の名前を取り、「栄四郎瓦株式会社」と現在の社名に変更しました。
時代の流れと共に日本の建築様式は洋風化の一途を辿り、日本の伝統的な瓦であるいぶしの瓦の普及は低速しつつあり、いぶしの瓦を生産・製造・販売しているメーカーは近年ますます減って来ています。
元々、栄四郎瓦株式会社は現在日本最大のいぶし瓦メーカー(国内生産ナンバー1)であり、現在確認されている中では最も古くから粘土瓦を生産・製造販売している「粘土瓦メーカー」でもあります。
栄四郎瓦の使命の一つとしては、粘土瓦の意匠を継承し後世の時代に残し豊かな粘土瓦文化の発展に貢献するというのがあります。
日本の瓦の三大瓦の一つである「三州瓦」
愛知県の三河地方で作られている粘土瓦を「三州瓦」と呼ばれています。
日本を代表する粘土瓦産地でもあり、日本の粘土瓦の生産量の約75%を占めています。
凍害や寒い地域にも耐える耐久性があり、豊富形状と色のバリエーションも豊富です。
高品質な粘土瓦であるため、現在では全国の大手ハウスーメーカーさんや社寺建築においても幅広くご採用されています。
特許庁により全国的な知名度があり地域のブランドとしても根強く根付いています。
弊社が主に使っているのも栄四郎瓦が生産・製造販売している「三州瓦」の粘土瓦です。
「三州瓦」には八つの特性があります。
①防災性
栄四郎瓦の瓦はすべて防災瓦と言って瓦同士が瓦一枚一枚に付いているジョイントフックで固定し合っている構造となっており、最新のガイドライン工法による施工で優れた耐震性・耐風性が確立しています。
②防水性
年間の降水量が多い日本では、どのように屋根に降る雨を排水し、屋根内部への漏水を防ぐかが屋根材にとっての重要事項ですが栄四郎瓦では効率よく雨水を排水する為のガイドや水返しなどを意匠に取り入れ、非常に高い防水性能を瓦に兼ね備えさせています。
③断熱性
粘土を原料とする栄四郎瓦は、熱伝導率が低く、熱を伝えにくいという特性があり、また屋根に瓦を施工した時できる瓦と野地板との間の空気層により断熱効率を高めます。空気層がほとんどない化粧スレート(KMEWのカラーベストコロニアルなど)やっ金属屋根材に比べ、外気温の影響を遮断し、より快適な住空間にしてくれます。
④耐寒性
冒頭で少しお話したと思いますが、栄四郎瓦は寒冷地でも広く採用されており、長期間氷点下の外気に晒される寒冷地域では屋根材に含まれる水分の凍結による凍害が発生し雨漏りや損壊の原因にもなりますが、それには瓦の吸水率が大きく関係しており、栄四郎瓦の場合はJIS規格の12%を大きく下回る8%以下の吸水率なので凍害などの心配はほとんどありません。
⑤耐火性
火事や飛び火などの類焼を防ぐには、屋根材の耐火性能がとても重要です。昔の屋根技法として用いられてきた草葺きや板葺きなどが時代の流れと共に減っていった原因の一つとしては耐火性の問題がありますが、瓦は一度焼いた焼き物なのでもしも大きな火災が起きた場合でも燃える心配はありません。
⑥耐久性
屋根には、工事や雪下ろしなどで人が乗る場合があるので局部的に荷重がかかる場合があります。栄四郎瓦の場合はJIS規格を十分に満たしているので、耐圧性はもちろん耐久性もあり、酸性雨や海岸部での塩害などにも強く、ほかの屋根材と比べても耐薬性にも優れています。
⑦防音性
近年、ガルバリウム鋼板の屋根が増えておりますが、金属屋根や化粧スレートの屋根のデメリットの一つとしては屋根に雨水が打ちつける時に非常に雨の音がするということが一つとして挙げられますが、粘土瓦の場合は瓦と野地板(屋根地)の間に空気層が設けてあるので防音性も兼ね備えており、雨が降っても家の中では比較的静かに過ごすことができます。
⑧経済性
瓦屋根の最初にかかるイニシャルコストは化粧スレートや金属屋根(ガルバリウム鋼板など)などの屋根材に比べて高いのは事実なのですが、後々のメンテナンスコストがかかりません。スレート系や金属系の場合は環境や製品の質にもよりますが、10年くらいから退色や錆び等が発生するので、定期的なメンテナンスが必要になります。
家を建ててから30~40年住み続けることを考えれば、メンテナンスの手間もなく丈夫で長持ちする瓦は決して高い屋根材ではないのです。
栄四郎瓦を使った施工写真【ローマンLL40】銀黒
これは栄四郎瓦のF型タイプである「ローマンLL40」の銀黒色で、屋根形状は寄棟で隅棟が隅棟冠(すみむねかんむり)仕様になっています。
屋根の外観がとてもすっきりした見た目になるフラットタイプの平板瓦は意匠性もさることながら日本の住宅にとても合っていて、何年時が経っても全く古さを感じさせないですね。
「F形」のFは、平面を意味するフラットに由来します。Fの名の通りJ形瓦(伝統的な日本の和瓦の形)の基本である山と谷の凹凸をなくした平板状の意匠が特徴で、色々な色のバリエーションも豊富です。
また、F形には鬼瓦など特殊な役物の瓦が少なく、全体的にスッキリとした西洋風な仕上がりになるのが特徴です。
栄四郎瓦の施工写真【プラウドBB40ハイパーX】ライトチョコ
この施工写真は「プラウドBB40ハイパーX」ライトチョコを使ったものです。
洋風チックの色合いもあるからなのか、家の外観からも温かみ感じさせてくれます。色も6種類と豊富なラインナップなので、
南欧風の温かみのある色調からコロニアルスタイルの実用的な色合いまで揃っていて、屋根外観に軽快なウェーブを醸し出してくれる、様々な屋根形状や意匠にも適合するのではないでしょうか?
南欧の地中海を彷彿とさせる色彩は、そこに住む人にユニークな暮らしを提供してくれると思います。
栄四郎瓦の粘土瓦は全て防災瓦ですので、防災や断熱性などの機能面も充実しており、小割感のあるウェーブが連続するデザインは個性あふれる豊かな表情をお家の屋根や外観を演出してくれます。
栄四郎瓦の施工写真【プラウドUU40G】ライトチョコ
これは「プラウドUU40G」ライトチョコを使った施工写真になります。(ライトチョコばかりの写真になってしまいました)
この瓦の特徴は両端をU字型に盛り上げた独特な瓦形状になっています。防水性はさることながら、一列ごとに瓦をずらして葺いていく(千鳥葺き)も相まって、平板瓦でありながら屋根の意匠に緩やかなリズムを与えくれます。
色の種類もたくさんあるので色々なパターンの屋根形状も美しく煌びやかな外観を演出してくると思います。
栄四郎瓦の様々なタイプ形状の粘土瓦は住宅の外観を選ばないベーシックな黒・茶」・銀黒」いった「レギュラーカラー」や、街中でも郊外でもその周りの環境に馴染んで溶け込んでくれるような色調の「ナチュラルカラー」などがあります。(ライトチョコはナチュラルカラーの一色の一つです)
そして栄四郎瓦は現在日本最大のいぶし瓦製造メーカーであるため「トラディショナルカラー」として、先ほどまで紹介した様々な瓦形状の瓦を銀いぶし仕様で製造しています。
日本の伝統色であるいぶしの瓦は唯一無二の武骨で重厚感のあるどっしりとした外観に仕上り、日本の風土や風情、詫び寂(わびさび)を住まいの暮らしに演出してくれます。
栄四郎瓦の施工写真【カパラスKS40】銀いぶし
これは「カパラスKS40」銀いぶしを使った施工写真です。
この瓦の特徴としては半平板半丸という瓦形状が特徴的で、防災や断熱などの機能はもちろんの事、先ほどまで紹介した瓦の中でも
「世界一風に強い」という瓦形状で、高い防風性能を有しております。
本来の欧風なイメージにとどまらず、日本の現代和風建築(ジャパニーズモダン)においてもその意匠性は日本住宅にもマッチすると思います。
見た目もスッキリとしたシャープさがある瓦形状のため、日本の伝統色である銀いぶし(トラディショナルカラー)は現代的な金属やコンクリートの建築建材とも上手く融合し、調和してくれます。
他にも北欧をモチーフにしたナチュラルカラーも6種類ありますのでこのあといくつか紹介したいと思います。
栄四郎瓦の施工写真【カパラスKS40】ランダムオーカー
これは「カパラスKS40」ランダムオーカーを使った施工写真です。
南欧風の瓦形状であるカパラスKS40の欧風カラーを使うことで、まるで海外に来たかのような錯覚を覚え、そしてナチュラルな温かみのある外観に仕上がっています。
このお家のお庭のエクステリアには、弊社が自社で製造販売しているRテコラ(愛媛県優良リサイクル認定品に認定された廃瓦100%の景観材【Rテコラ】)が使われています。
お家の屋根と庭とが上手く調和し、外観に一体感を生んでくれています。
このお家は弊社の社長が設計士し、建てたお家の一つで、こんなオシャレなお家に住みたいとお思いの方は気軽にご相談・お問合せ下さい。
栄四郎瓦の施工写真【エスパニカ】素焼
これは【エスパニカ】素焼を使った瓦の施工写真です。
レギュラーカラーである素焼(すやき)というのは粘土瓦に釉薬(ゆうやく)などを塗って焼結させたりせず、焼成した粘土瓦そのものの色を生かした色です。素焼のシンプルさに加え、外壁も白い漆喰で仕上げることで、一体感と重厚感が増し、「シンプルイズベスト」とはこの事言うのだなと思わされざる負えない心境にいたり、穏やかな時と心の安らぎを住まいの暮らし与えてくれるのではないでしょうか。まさにシンプルとはこのことで、何年時が経っても古さを感じさせないお家になっています。
洋瓦100年の歴史を支えてきたS形瓦は洋風建築の標準瓦として採用されてきました。
エスパニカはS形瓦ともいわれ、スペイン瓦の形状を日本の風土や建物に合わせて改良したものです。
栄四郎の粘土瓦は全て防災瓦ですので防災性や断熱性はもちろんこと様々な機能面も充実しています。
たおやかなS字のウエーブを描く造形に加えて、周囲の建物やエクステリアにも調和・融合し、欧風でドラマチックな重厚感を様々な色彩で鮮やかに演出してくれます。
栄四郎瓦の施工写真【エスパニカ】ベルカラー
これは【エスパニカ】ベルカラーを使った瓦の施工写真です。
栄四郎瓦が製造販売しているエスパニカのナチュラルカラー(ベルカラー)シリーズのなかにこの瓦はあります。
見た目の質感、外観ともに素晴らしい、そして美しいと思わず言ってしまうのではないでしょうか?
まるでスペインの街並みから、家をまるごと日本に持って来たかのような高級感のある煌びやかな外観はとても絵になり、外の庭で優雅に紅茶とポルボロン(スペインの伝統菓子)を嗜みながらのんびり本を読む、そんな休日を想像してしまいます。
一富士・二鷹・栄四郎瓦
これは栄四郎瓦の「州浜軒瓦」いぶし瓦を使った施工写真です。
栄四郎瓦は日本最大のいぶし瓦製造メーカーであり、現在現存している粘土瓦製造メーカーの中で最も古い瓦製造メーカーでもあります。
愛知県の「三州瓦」は日本の粘土瓦の75%以上占めています。
栄四郎瓦のこと少しでもこのコラムで知って頂けたら幸いです。
新築はもちろん屋根の葺き替え工事ご検討の方や、雨漏りなどでお困りの方は、気軽に弊社までお問合せ下さい