愛媛のみなさんエディリアンスはフランスの瓦メーカーなのです
屋根瓦は世界中で生産され流通しています。昔は海外に行くということは費用・時間共にとても一般人の手の届くことでではありませんでした。ただ映画などで外国映画を見ると、海外の建築などを見ることができる機会がなくはありませんでしたので建築家などはそれを見て大いにヒントにして外国に行かずして、設計に取り入れていかれた方もある一定の年齢の方から聞くこともあります。
しかし、近年多くの日本人が旅行あるいは海外に行ってご当地の住宅などを見聞する機会がごく当たり前になって参りました。そこで海外の住宅などを日本で建築したいというニーズも徐々に高まりまして、40年程前から国内でも輸入瓦の流通が僅かづつではありますが始まり、今も根強いニーズとして定着しています。
代表的な輸入瓦の形状【プレートタイル】
プレートタイル
写真のようにアンダーラップ・オーバーラップがない為に、瓦を三枚重ねにすることで防水しています。
天然スレートなどの同様の施工になります。屋根材の初期の形状です。
写真のようにプレートタイルは大別すると2種類あり、左側のように横ラインが強調されるストレートタイプと右側のように丸みを帯びたウロコ型を連想させるビーバータイプ(ビーバーの歯に似ているからでしょうか?)の二種類あります。
プレートタイルの施工写真です。
これはプレートタイルのストレートタイプでエイジング施工しており、色合いもエイジングカラーです。
すっきりした屋根面に思えるかもわかりませんが、三枚重ねの施工なので結構な重厚感も出ております。
相当な高級住宅でないと全体のバランス、例えば壁の質感・窓の材質(木製外部建具)・樋も銅製の物など、トータルでバランス良く仕上げないとそれぞれの良い所が出てこなくなるので、その点は認識ある設計士あるいはデザイナーとの協議が絶対必要だと思います。
代表的な輸入瓦の形状【バレルタイル】
バレルタイル
上丸・下丸の構造で結局は同じ形状の物を上に使うか下に使うかで防水をしています。これも非常に原始的な形状の瓦で、すべてこの一種類の瓦で工事を完結させるのが昔ながらの施工になります。
バレルタイルの軒先部分とケラバ部分の写真です。
軒先部分は下丸・上丸がハッキリ分かれているのが確認できます。さらにこのお宅は、樋を付けづに仕上げています。
外国では気象条件にもよりますが、樋を付けづに仕上げている所もありますし、実際日本では難しいのですが樋を付けないほうが良い(樋を付けると建築的に格好悪い)と考える、設計士さんなんかもおられまして賛否両論あります。
ケラバ部分に目を移してみますと、ここではWケラバ仕上げを採用しています。
一種類の瓦でケラバ部分を完璧に施工する方法です。
代表的な輸入瓦の形状【S型タイプ】
S型タイプ
上丸・下丸を一体成型したのがこの形です。近年になって成型技術・焼成技術などの進歩により、この様な瓦の形状も成型・生産することができるようになり施工の簡略化を図る事ができるようになりました。
しかしバレルタイルと比較すると一目瞭然、味わいは完全に劣ります。
S型タイプの施工をした写真です。
ケラバ部分はバレルタイルを使ってWケラバ仕様にして、拘った仕上がりにしています。
棟の部分は専用の大巴・棟瓦を使って仕上げておられます。
結構雰囲気が出るので本格的な輸入住宅をお考えの方には、輸入瓦は必須アイテムと言えますね。
このように輸入瓦も流通はしていますが、あまり一般的な物ではないので建築ご検討の時には(無理かな?)と思って諦める方が結構おられますがご安心下さい。
これは愛知県にある喫茶店の写真です。(雰囲気出てますね)
非常に小さな喫茶店です。
しかし醸し出す雰囲気はフランスの郊外にある、古い住宅を『そのまま日本に持って来たんじゃないの?』と思えるほどの圧倒的な迫力を感じさせる建築物となっております。
この現場は、日本の総代理店である宮政商事㈱の古居社長のお勧め現場です。
瓦はプレートタイルという輸入材の代表的な形の一つです。
これはプレートタイルのケラバ部分の写真です。
よく見ると瓦が三枚重ねになっていまして、瓦そのものは縦長なんですが実際に施工しますと露出する部分は三分の一程になり横長の瓦に見えます。さらにこの現場では古い感じに見えるようにエイジング施工しており、あえて綺麗に施工していません。
中々の仕上げとお見受け致しました。
輸入瓦S型タイプとバレルタイルを併用した某モデルハウスです。
これは輸入瓦S型タイプとバレルタイルを併用した某モデルハウスの写真です。
2F屋根はS型タイプ、軒先には軒樋が付いています。1Fはモデルハウスの入り口という事もあり、カッコよく仕上げたい思いと『本格的輸入住宅を弊社は取り扱っていますよ』というイメージを出したくて、軒先の瓦一枚のみをプレートタイルで施工し、二段目以降をS型タイプで施工しています。
この部分を強調したいことか、軒先に樋を付けていないという事もこの屋根材の使い方から読み取ることができました。
みんな色々工夫しているんだなと改めて思いました。
これは輸入瓦(エディリアンス)S型タイプの施工例です。
これは輸入瓦(エディリアンス)のS型タイプの施工写真です。
このように結構複雑な屋根形状でも施工はできます。このお施主様は結構海外に行く機会が多く、その時に見た住宅のイメージが忘れられなく、日本での自宅は必ずこのような思った通りの家にしたいという気持ちが強く、この屋根材を採用決定されたとお伺いしました。
また輸入材も色々な物が星の数ほどあるのですがその中で『エディリアンス』というメーカーを主に取り扱っておるわけですが、これは製品の耐用年数と製品精度・色合いすべてのバランスが良いので、このメーカー取り扱っていますのでご安心下さい。
輸入瓦プレートタイル(ビーバータイプ)の施工例です。
これは輸入瓦プレートタイル(ビーバータイプ)の施工写真です。
屋根形状が半円形で特殊な形です。住宅などにはあまりおすすめできる屋根形状ではありませんが、工事店さんが頑張って施工しているなと思いました。
ここでは、ビーバタイプの形状に注目したいと思います。
ストレートタイプとビーバータイプを色々な方に見て頂いて、どっちが好きですかとお尋ねしたら、男性はストレートタイプ女性はビーバータイプ(可愛いから)という理由で、圧倒的に女性に人気のある形状なのです。
実は、幸せボンビーガールでお馴染みの森泉さん(昨年目黒で自宅を大幅改造した現場)でもペットの豚の家を外庭に作るという話があって、その時に縁あって輸入瓦の話がありビーバータイプを指定しておられたんですが近隣の反対があり、計画がボツになったという事がありましたが、まあ女性はビーバータイプが好きなんだなと改めて確認できました。
東温市牛渕にある人気スイーツ店「いちご日和」
これは東温市牛渕にある有名な人気スイーツ店「いちご日和」の写真です。
この屋根にもフランスの瓦メーカーであるエディリアンスの輸入瓦が使われています。
とても雰囲気が出ていて、素晴らしい外観に仕上がっています。
この写真を見ていると、また食べに行きたくなりました。。。
輸入瓦を使いたいと思っている方へ
色々ご覧いただきましたコラムですが、これにて終了するわけですが屋根材は世界中にあり
また、その中で焼き物瓦は特にヨーロッパで伝統的な部分を残しつつエイジングカラーなどの先進的な技術も取り入れながら進歩しています。
残念ながら、日本おいては伝統的なものは排除しているという建築建材環境にあり、日々戦っているという現状ですが
本物建材がどれ程の質感があり、それが建築に与える影響がどれ程の物かということはお判り頂けると思います。
幸い日本には、京都・奈良などの景観管理区域もあり、地方によっては景観条例の敷かれている地域もあるので、そのような感覚が薄れて行きつつも求めておられる方には参考になる部分もあるとは思います。
本物を知っているということはどんな分野でも必要な事なので、ご自身で今後も研究してみて下さい。
お手伝いが必要であればご連絡お待ちしております。